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特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
オルソケラトロジーで角膜潰瘍を生じ視力障害が残存した1例
著者: 太田博之1 小菅正太郎1 和田悦洋1 塚越美奈1 恩田秀寿1
所属機関: 1昭和大学医学部眼科学講座
ページ範囲:P.291 - P.295
文献購入ページに移動症例:24歳,男性。10年前より近医にてミラクルレンズ®によるオルソKを開始した。オルソKを開始した当初は定期的な外来受診を継続していたが,最終受診は2年前であった。左眼疼痛,角膜混濁に伴う視力低下を自覚し,前医を受診し,角膜感染症の診断となり,2日後に当院を紹介され受診となった。細菌感染性角膜潰瘍の診断にて,同日より緊急入院した。抗菌薬頻回点眼,散瞳薬点眼,抗菌薬,ステロイド内服,抗菌薬点滴より加療を開始した。約2週間の入院加療にて感染傾向は消失したものの角膜上皮下混濁が残存していた。その後約6か月の経過で中央部角膜上皮下混濁が残存し,視力(0.3)にとどまっている。
結論:オルソKは,安全性の確認の取れている承認レンズの使用が求められる。また,レンズの適正使用の徹底した指導,外来管理が必要である。
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