文献詳細
特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[2]
原著
低加入度数分節眼内レンズ・レンティス®コンフォートの視力経過と眼鏡必要度からみた手術適応の検討
著者: 越智利行1
所属機関: 1医療法人社団越智眼科
ページ範囲:P.429 - P.437
文献概要
対象と方法:LC両眼挿入例(38例76眼)と,LC片眼挿入例で僚眼が単焦点眼内レンズ(Mono)挿入群(Mono群)(23例23眼)・有水晶体群(17例17眼)の視力経過・焦点深度曲線を比較検討し,これら3群における遠用から近用の眼鏡の必要度を検討した。
結果:LC両眼挿入とLC片眼挿入群の遠方視力に差はなかった。中間視力は,LC両眼挿入がLC片眼挿入より良好な結果が得られ,さらにLC両眼挿入はLC+僚眼Mono,LC+僚眼有水晶体よりも良好な結果が得られ,焦点深度曲線からみた明視域の広さも同様の結果が得られた。LCのほぼ全症例で遠方と中間距離での眼鏡は不要であった。LC両眼挿入例の79%で近用眼鏡は不要であり,LC片眼挿入例では近用眼鏡不要例は40%であった。
結論:LCは遠方から中間距離で良好な裸眼視力が獲得可能で近用眼鏡が不要となるものがあり,白内障術後の視覚改善の有効な手段である。また,僚眼がMonoあるいは有水晶体であってもLCの片眼挿入により良好な両眼視機能が獲得可能である。
参考文献
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