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臨床報告
近年の開放性眼外傷の患者背景と予後についての検討
著者: 水井徹1 馬詰和比古1 臼井嘉彦1 村松大弐1 若林美宏1 後藤浩1
所属機関: 1東京医科大学臨床医学系眼科学分野
ページ範囲:P.553 - P.558
文献購入ページに移動対象と方法:2012〜2018年に,東京医科大学病院眼科で診断・加療した開放性眼外傷63例64眼について,診療録をもとに後ろ向きに検討し,患者背景,創の分類,受傷機転,治療方法,視力予後について調査した。
結果:症例は男性37例,女性26例で,受傷時の年齢は2〜89歳(平均58歳)であった。鋭的外傷が21例,鈍的外傷が43例,受傷機転は転倒が過半数を占めていた。治療方法は角膜および強膜の創の縫合のみが35眼,創の縫合とともに行われた一期的硝子体手術が26眼,眼球摘出が2眼,角膜移植が1眼であった。初診時視力(logMAR)は,鈍的外傷群が2.62,鋭的外傷群が1.79であり,術後最高視力は鈍的外傷群が1.69,鋭的外傷群が0.22で,初診時視力および術後視力ともに有意に鈍的外傷群が不良であった。
結論:近年の開放性眼外傷の受傷機転は転倒が多くを占めていた。今後,高齢化社会がさらに進行することによって転倒をはじめとした開放性眼外傷の増加が懸念される。
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