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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻5号

2020年05月発行

文献概要

特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著

ソフトウェアを用いた視覚障害認定用ゴールドマン視野結果の半自動解析

著者: 飯田悠人1 秋元正行1

所属機関: 1大阪赤十字病院眼科

ページ範囲:P.637 - P.640

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要約 目的:視覚障害認定のため視野評価をゴールドマン視野計にて行った場合,Ⅰ/4指標とⅠ/2指標の8方向の視野角度を数値化し,記入する必要がある。各視野角度の視野を求める方法は,視野結果の紙面上の距離を定規で計測し,1か所ずつ角度に換算する方法が一般的であるが,傍中心暗点が存在する場合など,一方向につき複数か所の測定が必要となる例もあり,煩雑で時間のかかる作業であった。筆者らはより簡便で正確な視野評価方法の開発を目的とし,本検討を行った。

対象と方法:画像解析ソフトImageJのマクロ言語を用いて,ゴールドマン視野結果の画像から各方向の視野角度を半自動的に数値化するソフトウェアを開発した。ソフトウェアによる測定の有効性を評価するため,実際の症例の視野パターンを模したゴールドマン視野を擬似的に20例作成し,従来の紙面上で定規を用いて測定し角度を算出する方法と,今回開発したソフトウェアを用いた方法の2つの方法で同一画像の測定を行い,結果を比較した。

結果:従来の方法による測定とソフトウェアを用いた測定の結果は,高い相関を示した(ρ=0.9998,p<0.01)。測定に要した時間もソフトウェアを用いたほうがより短かった。

結論:ソフトウェアを用いたゴールドマン視野結果の定量評価は,従来の手作業での測定と比較し,より簡便であり,診療業務の負担軽減に役立つ可能性がある。

参考文献

1)Rasband WS:ImageJ, U. S. National Institutes of Health, Bethesda, Maryland, USA(http://imagej.nih.gov/ij/, 1997-2012)
2)Schneider CA, Rasband WS, Eliceiri KW:NIH Image to ImageJ:25 years of image analysis. Nature Methods 9:671-675, 2012
3)Mutterer J:Custom toolbars and mini applications with Action Bar. Figshare, 2017(https://figshare.com/articles/Custom_toolbars_and_mini_applications_with_Action_Bar/3397603)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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