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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻6号

2020年06月発行

今月の表紙

感覚網膜割断面の走査電子顕微鏡写真

著者: 杉田新1 寺崎浩子2

所属機関: 1おおつか杉田眼科 2名古屋大学

ページ範囲:P.662 - P.662

文献概要

 ニホンザルの感覚網膜を割断して走査電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)でみたもので,感覚網膜に特徴的な層構造がよくわかる。本図は,左側が硝子体側,右側が脈絡膜側であるが,左側から右側に向かって,内網状層の一部,内顆粒層,外網状層,外顆粒層,外境界膜,杆体・錐体層の一部,が区別できる〔なお,本稿の写真は「眼の神秘SEMアトラス」(筆者の自費出版)からの転載である〕。

 SEMの最大の特徴は,焦点深度が深く立体的な画像が得られることで,感覚網膜の割断面をSEMでみると,各層相互の3次元的位置関係がよくわかる。SEMは透過電子顕微鏡に比べると観察範囲が広いこと,光学顕微鏡に比べると分解能が高く,微細構造レベルの観察ができること,などの利点がある。SEMの観察対象としては,従来は細胞・組織の自由表面に限られていたが,試料作製を工夫することで細胞・組織の内部構造を観察することもできる。本図は樹脂凍結割断法を応用して,ニホンザルの感覚網膜割断面をSEMでみたものである。今回の写真撮影に使用した検査機器はフィールドエミッションSEM,日立HFS-2(分解能は3nm)で,写真倍率は1,600倍である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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