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特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
メトトレキサートによる中枢神経障害が原因で視覚障害を生じた1例
著者: 村上隆哉1 松本牧子1 松隈亜紀子1 木下和子1 吉村俊祐2 白石裕一2 辻野彰2 北岡隆1
所属機関: 1長崎大学病院眼科 2長崎大学病院脳神経内科
ページ範囲:P.752 - P.758
文献購入ページに移動症例:45歳,男性。2か月前から視力と中心フリッカ値が低下し,ゴールドマン動的視野検査では中心暗点とマリオット盲点の拡大があった。検眼鏡上は異常なく,MRIでT2WI/STIR/FLAIR像で両側視神経から視交叉,さらには視索,外側膝状体にかけて高信号を認め,脳梁の著明な腫大とともに大脳半球白質に左右対称性に広範囲に同シーケンスで高信号を認めた。血液検査,髄液検査,遺伝子検査などで原因は特定できなかった。関節リウマチの既往があり,MTX 8mg/週内服していたことから薬剤性による可能性も考え休薬したところ,自覚検査,画像所見ともに徐々に改善した。
結論:さまざまな薬剤が中枢神経障害を引き起こすとされており,薬剤歴の聴取は重要であると考えられる。
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