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特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
脂腺癌により眼瞼癒着をきたし開眼不能に至った1例
著者: 阿部真以子1 檜森紀子1 二宮高洋1 高木尚之2 竹下孝之3 齊藤涼子4 中澤徹1
所属機関: 1東北大学病院眼科 2東北大学病院形成外科 3大崎市民病院眼科 4東北大学病院病理部
ページ範囲:P.759 - P.764
文献購入ページに移動症例:78歳,男性。左上眼瞼に凹凸不整な腫瘤が出現し,瞼裂が癒着し開眼不能の状態となり,精査加療目的で近医から紹介され受診した。
所見:生検による組織診で脂腺癌が疑われ,画像診断で眼球まで腫瘍が浸潤している可能性が大きく,リンパ節転移や多臓器転移を認めなかったことから,眼瞼と眼球を切除し腫瘍の完全切除を目指す方針となり,全身麻酔下で左眼窩内容除去と分層植皮による再建を形成外科と合同で行った。術後11か月目の陽電子放出断層撮影で左頸部リンパ節転移を認め,当院耳鼻科で左頸部郭清手術施行し,現在経過観察をしている。
結論:難治性の慢性結膜炎を呈する場合,点眼による偽類天疱瘡だけでなく,びまん性に病変が進展する脂腺癌も鑑別として考え,診療する必要がある。
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