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特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
眼瞼下垂ミュラー筋タッキング術後の患者満足度
著者: 藤本可芳子1 大澤秀也1 竹山知永子1 高橋愛1 森山貴司1 藤井文登1 宮田信之2
所属機関: 1フジモト眼科 2岡田眼科
ページ範囲:P.771 - P.775
文献購入ページに移動対象と方法:2016年5月〜2018年6月の期間に,炭酸ガスレーザーによる皮膚切除を伴ったミュラー筋タッキング手術を行った。術前,術後(1〜3か月)に質問票も用いて開瞼不良,狭い視野,頭痛,肩こり,眠気,改善度,手術の満足度,外見の満足度を調べ,術前後の変化を評価した。さらに,満足度の低い症例については,その要因を調査した。
結果:症例数は95例180眼,男女比32:63,年齢は25〜88歳(平均:67.9±10.8歳)であった。質問事項の術前後の変化は,「開瞼不良がある」が51%から14%に,「視野が狭い」が41%から6%に,「頭痛」が31%から11%に,「肩こり」が70%から44%に,「眠気」が72%から52%に改善した。改善度については,89%で症状が改善したと回答した。手術後の満足度は89%と高く,外見に対する満足度も84%が「良い」と回答した。改善度,手術の満足度,外見について,「やや不満」と答えたのは8例14眼であり,年齢46〜76歳(平均58.6歳),男女比3:5であった。外見の変化が予想より少ない,左右差,ドライアイ,突っ張る感じがあるが不満の原因であった。
結論:術後満足度は高いものの,年齢と性別にかかわらず,術後の期待度を確認し,外見も考慮し,術前に十分に説明することが必要と考えられた。
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