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臨床報告
虹彩縫合を用いた瞳孔形成術におけるMcCannel法と眼内縫合法の比較検討
著者: 木住野源一郎1 谷口重雄1 田中裕一朗1 安藤幹彦1 小沢忠彦1
所属機関: 1小沢眼科内科病院
ページ範囲:P.957 - P.964
文献購入ページに移動対象と方法:不可逆性散瞳および瞳孔偏位に対し,虹彩縫合による瞳孔形成術を施行した17症例18眼を対象とした。術式は主に眼外法を,極大散瞳症例で多方向からの縫合が必要な場合には眼内法を選択し,眼外法12眼,眼内法3眼,両方法の併用3眼を行った。最長瞳孔径と最短瞳孔径を計測ソフトウェア(Image J)で測定し,平均値を瞳孔径と定義し術前後で比較した。瞳孔偏位量はIllustrator®で画像的に角膜中心,瞳孔中心を同定し,2つの中心間の距離を瞳孔偏位量と定義し術前後で比較した。操作性の指標として,1か所当たりの虹彩の通針に要した時間を手術ビデオから測定し,眼外法と眼内法で比較した。
結果:瞳孔径は術前7.2±1.2mmから術後4.5±0.6mmへ,瞳孔偏位量は術前2.1±0.9mmから術後1.0±0.3mmと有意に減少した。通糸の所要時間は眼外法111.0±48.0秒,眼内法113.6±44.6秒で有意差はなかった。
結論:瞳孔形成術において,眼外法を第一選択とした本検討の結果は良好であり,眼外法が第一選択でよいと考えられた。各法の操作性は同等であると考えられた。多方向,特に垂直方向の縫合を要する症例には眼内法が有用である可能性がある。
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