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臨床報告
レンティス®コンフォート挿入眼のオートレフラクトメータ値と自覚的屈折値との乖離
著者: 高須逸平1 高須貴美1 貝原懸斗1 原田哲也1 星原徳子1
所属機関: 1高須眼科
ページ範囲:P.965 - P.969
文献購入ページに移動対象・方法:対象は,2018年12月〜2019年6月に高須眼科で白内障手術を行い,レンティス®コンフォートを挿入した連続37眼である。術後予想屈折度は−0.12±0.09D(平均±標準偏差)を想定した。全例,白内障と屈折異常のほかに眼科疾患はなく,術中合併症はなかった。IOLは囊内に挿入し,6時-12時に軸合わせした。術翌日,術後1週間,術後1か月でオートレフ値(TONOREFTMⅢ NIDEK)を求め,自覚的屈折値に基づく視力検査(遠方,1m,近方40cm)を施行した。
結果:術後1週間の遠方小数視力は平均0.90(1.02),オートレフ値はS−0.67±0.50D,C−0.97±0.58Dであった。自覚的屈折値はS−0.10±0.23D,C−0.41±0.55Dであった。裸眼1m小数視力と裸眼近方小数視力は,それぞれ平均0.92,0.66であった。術後1か月の遠方小数視力は平均0.93(1.03),オートレフ値はS−0.42±0.46D,C−1.04±0.59Dであった。自覚的屈折値はS−0.01±0.28D,C−0.35±0.54Dであった。裸眼1m小数視力と裸眼近方小数視力は,それぞれ平均0.87,0.64であった。
結語 レンティス®コンフォート挿入眼は,術後1か月でオートレフ値と自覚的屈折値との間に等価球面に換算して−0.75Dの有意な乖離がみられた(t検定p<0.001)。
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