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特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
眼内レンズ挿入後に遅発性無菌性眼内炎が疑われた2例
著者: 菊池孝哉1 横山康太1 浅野泰彦1 小菅正太郎1 恩田秀寿1
所属機関: 1昭和大学医学部眼科学講座
ページ範囲:P.1022 - P.1028
文献購入ページに移動症例:昭和大学病院附属東病院で同日に白内障手術が施行された73歳の女性と71歳の男性の2例であった。術中合併症はなかった。術翌日は1例に軽度の角膜デスメ膜皺襞を認めたものの,2例とも前房内炎症は軽度であった。視力はそれぞれ(1.0),(1.2)と改善していた。術12日目の再診で2例ともに霧視を自覚し,毛様充血,瞳孔領にフィブリンの析出を伴う無痛性の前房内炎症と虹彩後癒着,1例にデスメ膜皺襞を認めた。視力は(0.4),(0.4)にまで低下した。またレーザーフレアセルメータでフレア値の上昇を認めた。これらの結果からlate-onset TASSを疑い,術12日目から抗菌薬,副腎皮質ステロイド点眼に加え,非ステロイド性抗炎症薬,散瞳薬の点眼を追加した。点眼のみで2例とも前房内炎症,デスメ膜皺襞は徐々に改善した。術後6か月の時点で1例に虹彩後癒着の残存を認めるものの,視力は(1.2),(1.2)となり,自覚症状も改善した。
結論:白内障手術後はlate-onset TASSを発症する可能性があるため,術後注意深く観察する必要がある。
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