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特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
オカルト黄斑ジストロフィの2症例における新基準の視覚障害手帳判定とFunctional Vision Scoreの評価
著者: 鶴岡三惠子1 井上賢治1
所属機関: 1井上眼科病院
ページ範囲:P.1045 - P.1052
文献購入ページに移動症例:症例1は21歳,女性。17歳時に視力低下で井上眼科病院(当院)を受診した。診断ガイドラインを満たし,オカルト黄斑ジストロフィと診断された。21歳時に大学卒業後の就労相談で当院ロービジョン外来を受診した。手帳は視力4級で視野は該当がなかった。FVSは48〔Functional Acuity Score(FAS)は48,Functional Field Score(FFS)は100〕で,重度視覚喪失に該当した。以上から視覚障害の支援団体・支援機関のサポートを受け,障害者枠の雇用を勧めた。症例2は74歳,男性。視力低下を主訴に当院を受診し,オカルト黄斑ジストロフィと診断された。手帳は,視力・視野とも該当なしであった。FVSは74(FASは74,FFSは100)で,中等度視覚喪失に該当した。以上の結果から拡大鏡の自費購入となった。
考按:オカルト黄斑ジストロフィの視力評価は手帳よりFVSでの評価が実態に即していた。視野評価については手帳,FVSいずれの基準でも評価が難しかった。
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