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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻10号

2021年10月発行

文献概要

特集 第74回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著

視覚障害者の就労支援ツールの開発 第2報 改良支援ツールと輪状暗点

著者: 高橋広1 氏間和仁2 岩井克之3 村上美紀4 山田敏夫5 吉田治5 山田信也6 落合信寿7 近藤寛之7

所属機関: 1北九州市立総合療育センター眼科 2広島大学大学院人間社会科学研究科 3株式会社ネクストコード 4むらかみ眼科 5日本ロービジョン学会 6国立福岡視力障害センター 7産業医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1390 - P.1396

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要約 目的:視覚障害者の就労支援において,視覚障害者の見え方の理解が鍵である。これまでタブレット端末で視野障害の状況を共有できるツールを開発したが,輪状暗点の理解は不十分であった。そこで,改良を加えた試作版を開発したので,その有用性を紹介する。

対象と方法:北九州市立総合療育センター眼科を2020年1〜4月に受診した輪状暗点を呈する視野障害者の支援者10名に対し,タブレット端末の新旧支援ツール試作版を見せ,見え方がイメージできるかどうかを質問し,イメージできた人数を比較した。

結果:「イメージできない」と回答した支援者は新旧バージョンともいなかったが,旧バージョンでは「少しできた」と回答した支援者が1名で,「できた」と回答したのは8名で,「非常にできた」としたのは1名であった。一方,新バージョンでは2名が「できた」と答え,他の8名は輪状暗点のイメージが「非常にできた」と回答し,有意に違いがみられた。

結論:新バージョンは操作が容易で,輪状暗点をイメージしやすくなり,眼疾患の理解を深めることもできた。このことにより,就労場面において,多くの支援者と共通認識ができる可能性が示唆された。

参考文献

1)高橋 広・村上美紀:中途視覚障害者への職域マネージメント.MB OCULI 91:51-62,2020
2)落合信寿・高橋 広・近藤寛之:「視覚障害者の就労支援マニュアル」の開発について.福岡県眼科医会報254:2-6,2020
3)高橋 広・氏間和仁・岩井克之・他:視覚障害者の就労支援マニュアルの開発—支援ツールの開発.臨眼74:1314-1319,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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