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特集 第74回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
LS-313 MF15を挿入する白内障手術併用黄斑前膜手術
著者: 高須逸平1 高須貴美1 貝原懸斗1 星原徳子1
所属機関: 1高須眼科
ページ範囲:P.1404 - P.1409
文献購入ページに移動対象と方法:対象は,2019年5月〜2020年8月に高須眼科でLS-313 MF15を挿入する白内障手術併用ERM手術を施行した連続20名22眼である。全例,白内障と屈折異常,特発性ERMの他に眼科疾患はなく,術中合併症はなかった。術前と術後1か月に中心窩網膜厚(CMT),M-CHARTS®,遠方視力,中間(1m)視力,近方(40cm)視力を測定した。
結果:本IOL挿入下での硝子体手術中,焦点が2つに分かれて見えたが,意図する範囲のERM剝離および内境界膜剝離が可能であった。術前の裸眼logMAR視力(矯正logMAR視力)は,遠方0.67±0.49(0.10±0.15),中間0.48±0.34(0.10±0.10),近方0.51±0.22(0.15±0.14)に対して,術1か月後のlogMAR視力は,遠方0.15±0.20(0.00±0.08),中間0.08±0.13(0.03±0.06),近方0.24±0.15(0.12±0.16)であった。術前に比して術後1か月で遠方と中間視力は裸眼・矯正ともに有意に改善した。CMTとM-CHARTS®に有意差はなかった。
結語:本IOLを挿入する白内障手術併用ERM手術は術中視認性に問題なく,術1か月後に遠方から中間まで視力は有意に改善した。
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