文献詳細
文献概要
増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド
序文
著者: 井上幸次1
所属機関: 1鳥取大学
ページ範囲:P.5 - P.5
文献購入ページに移動 最近,総合診療医が重要視されるようになってきていることは皆さんご存知だと思います.なぜそういうことになってきたかというと,医学・医療があまりに高度になってきたために一人のドクターが診られる範囲がどんどん狭くなってきて,専門家ばかりになってきたことで,病気を診ることはできても,患者を診ることができないような状況が生まれてきたことが大きいといえます.しかし,間違ってはいけないのは,総合診療医やかかりつけ医は決して患者の病気すべてがわかるわけではありません.適切にそれぞれの専門医に委ねるポイントをよく知っていることが大切です.眼科においても,このことは同じで,患者のことをよくわかっている眼科かかりつけ医の存在は重要ですが,適切な時期に適切なドクターに紹介できてこそ眼科かかりつけ医としての使命が果たされます.そういう意味で「病診連携」の重要性はとみに高まってきており,これからますます高まっていくといってよいでしょう.
もう一つの「病診連携」の側面として,コミュニケーションがあります.コミュニケーションエラーが起きると,折角の高度な医学の成果は生かされず,医療としてお粗末なものになってしまいます.我々医療者と患者の間のコミュニケーションエラー,つまりインフォームドコンセントが不十分なことが,どれだけ多くの医療事故・医療過誤を生んできたかを考えていただくとよくわかると思います.そして,実は「病診連携」というのはクリニックと病院との間のコミュニケーションに他なりません.これがうまくいくかどうかが,安全で有効な質の高い眼科医療を患者に提供できるかどうかの要になってくるのです.そしてまた,「病診連携」が全体としてうまくいくかどうかには,現在,そして今後ますます重要になってくる医師の働き方改革の成否がかかっているのです.
もう一つの「病診連携」の側面として,コミュニケーションがあります.コミュニケーションエラーが起きると,折角の高度な医学の成果は生かされず,医療としてお粗末なものになってしまいます.我々医療者と患者の間のコミュニケーションエラー,つまりインフォームドコンセントが不十分なことが,どれだけ多くの医療事故・医療過誤を生んできたかを考えていただくとよくわかると思います.そして,実は「病診連携」というのはクリニックと病院との間のコミュニケーションに他なりません.これがうまくいくかどうかが,安全で有効な質の高い眼科医療を患者に提供できるかどうかの要になってくるのです.そしてまた,「病診連携」が全体としてうまくいくかどうかには,現在,そして今後ますます重要になってくる医師の働き方改革の成否がかかっているのです.
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