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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

文献概要

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 1 眼瞼・結膜

細菌性結膜炎

著者: 稲田紀子12

所属機関: 1東松山市立市民病院眼科 2日本大学医学部視覚科学系眼科学分野

ページ範囲:P.10 - P.14

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クリニック・病院で診るときのポイント

クリニックで診るとき

・発熱,眼瞼腫脹を伴う急性発症小児例は,涙道疾患,眼窩蜂巣炎に伴う結膜炎などを疑い,抗菌薬を局所投与したうえで改善しないようなら病院に紹介する.

・強い結膜充血,膿性眼脂,あるいは角膜潰瘍を伴う急性発症成人例は,淋菌感染症を疑い早急に病院に紹介する.

・眼脂および結膜充血が遷延化,寛解・増悪を繰り返す亜急性〜慢性の成人例は,クラミジア結膜炎を疑い抗菌薬を変更するか病院に紹介する.

病院で診るとき

・重症例および遷延化例では,原因菌の検索および結膜炎以外の感染巣の有無を確認する.

・原因細菌の薬剤感受性試験結果を踏まえた抗菌薬の投与を行う.

・抗菌薬全身投与のタイミングや,他科(小児科,皮膚科など)との連携を考慮する.

参考文献

1)中川 尚:結膜疾患の鑑別.薄井紀夫・後藤 浩(編):眼感染症診療マニュアル.112-125,医学書院,東京,2014
2)日本性感染症学会ガイドライン委員会:性感染症診断・治療ガイドライン2020.診断と治療社,東京,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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