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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

文献概要

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 1 眼瞼・結膜

流行性角結膜炎

著者: 川村朋子1 佐伯有祐1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.16 - P.22

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クリニック・病院で診るときのポイント

クリニックで診るときのポイント

・流行性角結膜炎を疑ったら積極的にイムノクロマト法による確定診断を行う.

・角膜に非典型的な所見(広範な角膜びらんや混合感染を疑う角膜浸潤)を認めた場合は,高次医療機関へ紹介する.

病院で診るときのポイント

・大きな病院では,クリニックのように診療導線を分離することが構造上不可能なことが多いため,感染予防には特に注意する.

・見かけ上の臨床症状が重篤であっても,その原因は,ウイルスによる直接的な傷害だけではなく,患者の年齢,アトピー性皮膚炎の有無,全身,局所の免疫状態など,宿主側の免疫状態により修飾されていることに留意する.発症日から日数がどれくらい経過しているかが感染対策の助けになる.

参考文献

1)藤原理太郎・三田村佳典・田川 博・他:アデノウイルス4型結膜炎の院内感染.日眼会誌107:388-392,2003
2)上野智弘・川村朋子・佐伯有祐・他:結膜滲出液を含む涙液を用いたアデノウイルス検出増感キットの評価.臨眼72:481-486,2018
3)Uemura T, Migita H, Ueno T et al:Clinical and virological analysis of epidemic keratoconjunctivitis caused by adenovirus type 54 in a regional ophthalmic clinic in Kyushu, Japan. Clin Ophthalmol 12:511-517, 2018
4)Ohashi Y, Ebihara N, Fujishima H et al:A randomized, placebo-controlled clinical trial of tacrolimus ophthalmic suspension 0.1% in severe allergic conjunctivitis. J Ocul Pharmacol Ther 26:165-173, 2010
5)Huang J, Kadonosono K, Uchio E et al:Antiadenoviral effects of ganciclovir in types inducing keratoconjunctivitis by quantitative polymerase chain reaction methods. Clin Ophthalmol 8:315-320, 2014
6)野田恵理子・山口昌彦・白石 敦・他:流行性角結膜炎を契機に発症したと考えられるドライアイの3症例.あたらしい眼科26:1671-1677,2009
7)Prado SB, Ayora ACR, Fernández CL et al:Topical tacrolimus for corneal subepithelial infiltrates secondary to adenoviral keratoconjunctivitis. Cornea 36:1102-1105, 2017
8)Chigbu DI, Labib BA:Pathogenesis and management of adenoviral keratoconjunctivitis. Infect Drug Resist 11:981-993, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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