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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド

1 眼瞼・結膜

翼状片

著者: 上松聖典1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科眼科・視覚科学分野

ページ範囲:P.59 - P.62

文献概要

クリニック・病院から紹介/逆紹介するときのポイント

クリニックから病院へ紹介するとき

・通常の翼状片の場合は基本的にクリニックでの診療で問題ない.クリニックに手術設備があれば,必要に応じて手術を行う.しかし,下記の場合は病院や角膜専門施設に紹介する.

 ① 他の角結膜疾患に伴う結膜組織の侵入(偽翼状片)の場合,原疾患に対する治療が必要である.このような症例では術後角膜や強膜の菲薄化,時に角膜穿孔を生じることがある.

 ② 再発翼状片に対しては,専門施設での羊膜移植術併用の翼状片切除術1)も検討する(図1).羊膜移植ができる術者と施設は現時点では限定されており2),事前に確認が必要である.

病院からクリニックへ逆紹介するとき

・通常の翼状片.

・角膜への結膜侵入をきたす疾患が落ち着いたとき.

・術後,症状が落ち着いたとき.

参考文献

1)上松聖典:再発翼状片に対する羊膜移植併用手術.眼科手術32:207-210,2019
2)上松聖典:羊膜バンクと羊膜移植—眼科医の立場から.眼科手術30:400-405,2017
3)山田直之・近間泰一郎:偽翼状片.大鹿哲郎(編):眼科プラクティス18 前眼部アトラス.73,文光堂,東京,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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