icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

文献概要

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 2 角膜

眼部帯状疱疹・角膜ヘルペス—再発性角膜上皮びらんを含む

著者: 篠崎和美1

所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.75 - P.82

文献購入ページに移動
クリニック・病院から紹介/逆紹介するときのポイント

クリニックから病院へ紹介するとき

《眼部帯状疱疹》

・急性期で全身への抗ウイルス薬が未投与/不十分,または眼合併症や脳神経症状がみられる場合,できる限り当日中に紹介する.当日に紹介できない場合は,抗ウイルス薬内服を処方する.

・皮疹消退期で眼合併症が重症,または1週間で改善の兆しがない場合,治療は変更せずできるだけ翌日までに紹介する.眼圧上昇がある場合は対処する.

《角膜ヘルペス》

・初診時に広範囲の上皮障害や角膜潰瘍を伴う場合,加療せず当日中に紹介する.当日の紹介が困難な場合は紹介先に対応を相談する.当日に紹介も相談も困難な場合,前眼部写真撮影,角膜病巣部の擦過物の塗抹・細菌/真菌培養を行う(付着物や眼脂だけでも提出).散瞳薬で瞳孔管理,消炎を図る.

・初診時に明らかな視力障害や高度の浸潤・混濁を伴う角膜実質の炎症の場合も基本的な対応は同じだが,当日に紹介も相談もできない場合,瞳孔や眼圧管理のみ行い紹介する.

・治療開始後悪化もしくは1週間経ても改善の兆しがない場合,ステロイド薬を開始すべきか増量すべきか迷った場合は,治療を変更せず紹介する.

《再発性角膜上皮びらん》

・2〜3日しても改善がない場合,視力低下が著明な場合,頻回に繰り返す場合はできるだけ早く紹介する.

クリニックから病院へ逆紹介するとき

・いずれも沈静化が明らかになったとき.

参考文献

1)浅田秀夫:帯状疱疹の診断と治療.日皮会誌130:2683-2688,2020
2)日本眼感染症学会感染性角膜炎診療ガイドライン第2版作成委員会:感染性角膜炎診療ガイドライン(第2版).日眼会誌117:467-509,2013
3)篠崎和美:角膜ヘルペスの診断と治療について教えてください.あたらしい眼科36:31-34,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?