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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

文献概要

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 2 角膜

周辺部角膜浸潤・潰瘍

著者: 稲垣絵海1 羽藤晋1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.87 - P.92

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クリニック・病院で診るときのポイント・クリニックから病院へ紹介するときのポイント

病院で診るとき

・鑑別診断と治療方針の選択が重要である.

 ① 関節リウマチなどとの鑑別と,他科との連携

 ② 治療方針の決定:保存的治療,Brown手術,ドナー角膜を用いた手術(角膜上皮形成術,表層角膜移植術など)

クリニックから病院へ紹介するとき

・周辺部角膜浸潤を伴う疾患のうち,保存的治療で対処可能か,穿孔するリスクが高いかの見極めが重要である.以下は,Mooren潰瘍を示唆する高リスクな所見である.

 ① 急性発症

 ② 輪部に沿って生じる円弧状潰瘍

   a)細胞浸潤を伴う,b)潰瘍は急峻な掘れ込みを伴う,c)透明帯を伴わない

 ③ 輪部に並行して潰瘍が進展

 ④ 毛様充血

 以上の所見があった場合は急激に進行する場合があるので,可能であればその日のうちに病院に紹介する.その日のうちに紹介不可能な場合は,ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムの1時間ごとの頻回点眼を処方し,状況に応じて紹介を行う.

参考文献

1)Krachmer JH, Mannis MJ, Holland EJ(eds):Cornea. 2nd ed. p1241, Mosby, St. Louis, 2005
2)Brown SI, Mondino BJ:Therapy of Mooren's ulcer. Am J Ophthalmol 98:1-6, 1984
3)後藤 周・外園千恵・稲富 勉・他:特発性周辺部角膜潰瘍の発症および臨床経過に関する検討. 日眼会誌122:287-292, 2018
4)竹本裕子・北市伸義・大野重昭:Mooren角膜潰瘍. 臨眼62, 152-155, 2008
5)Brown SI, Mondino BJ:Penetrating keratoplasty in Mooren's ulcer. Am J Ophthalmol 89:255-258, 1980
6)Kinoshita S, Ohhashi Y, Ohji M et al:Long-term results of keratoepithelioplasty in Mooren's ulcer. Ophthalmology 98:438-445, 1991.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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