文献詳細
文献概要
増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 5 緑内障
眼圧が下がらない緑内障
著者: 佐野一矢1 谷戸正樹1
所属機関: 1島根大学医学部眼科学講座
ページ範囲:P.193 - P.198
文献購入ページに移動クリニックから病院へ紹介するとき
《紹介するべき症例》
・複数の点眼(3剤以上)を使用しても眼圧が下がらない症例.
・喘息やアレルギーで十分な点眼処方ができず眼圧が高いままの症例.
※なお,炭酸脱水酵素阻害薬内服で眼圧が落ち着いている症例とは,すなわち「内服を止めれば再上昇する症例」である.長期的な内服は腎機能にも影響を与えるため推奨されない.
上記は,手術適応となりうるため,自院で対応不可であれば速やかに紹介すべきである.
《紹介前に確認すること》
・薬剤アドヒアランスを確認する.
・ステロイド使用の有無を再度確認する.
・緑内障病型を再度見直す(自院で手術対応可能かどうかを考える).
病院からクリニックへ逆紹介するとき
・眼圧が下がり,かつその眼圧で落ち着いている症例.
※線維柱帯切開術後は眼圧が一度下降した後,リバウンドで再上昇することがあるので注意する.
・手術に伴う合併症がない症例(あってもすでに治っている症例).
・緑内障の背景疾患が落ち着いた症例(ぶどう膜炎・糖尿病など).
・その眼圧で視野進行スピードが十分低下したことを確認できた状態.
参考文献
掲載誌情報