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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

文献概要

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 5 緑内障

眼圧が下がらない緑内障

著者: 佐野一矢1 谷戸正樹1

所属機関: 1島根大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.193 - P.198

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クリニック・病院から紹介/逆紹介するときのポイント

クリニックから病院へ紹介するとき

《紹介するべき症例》

・複数の点眼(3剤以上)を使用しても眼圧が下がらない症例.

・喘息やアレルギーで十分な点眼処方ができず眼圧が高いままの症例.

 ※なお,炭酸脱水酵素阻害薬内服で眼圧が落ち着いている症例とは,すなわち「内服を止めれば再上昇する症例」である.長期的な内服は腎機能にも影響を与えるため推奨されない.

 上記は,手術適応となりうるため,自院で対応不可であれば速やかに紹介すべきである.

《紹介前に確認すること》

・薬剤アドヒアランスを確認する.

・ステロイド使用の有無を再度確認する.

・緑内障病型を再度見直す(自院で手術対応可能かどうかを考える).

病院からクリニックへ逆紹介するとき

・眼圧が下がり,かつその眼圧で落ち着いている症例.

 ※線維柱帯切開術後は眼圧が一度下降した後,リバウンドで再上昇することがあるので注意する.

・手術に伴う合併症がない症例(あってもすでに治っている症例).

・緑内障の背景疾患が落ち着いた症例(ぶどう膜炎・糖尿病など).

・その眼圧で視野進行スピードが十分低下したことを確認できた状態.

参考文献

1)Garbe E, LeLorier J, Boivin JF et al:Risk of ocular hypertension or open-angle glaucoma in elderly patients on oral glucocorticoids. Lancet 350:979-982, 1997
2)Honjo M, Tanihara H, Inatani M et al:External trabeculotomy for the treatment of steroid-induced glaucoma. J Glaucoma 9:483-485, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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