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増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 5 緑内障
末期緑内障
著者: 本庄恵1
所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.206 - P.212
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《初診時,すでに視野障害が進行》
・著明な高眼圧の場合はすぐに薬物療法を開始,正常眼圧〜25mmHg以下ならベースライン眼圧を確認してから薬物療法を開始,点眼加療のみで良好な眼圧コントロールが得られた→中心視野検査,30-2/24-2視野検査を継続し眼圧コントロール下での進行を確認,進行傾向なら紹介を検討.
・高眼圧を認め,点眼加療では眼圧コントロールが得られず,内服加療追加である程度眼圧コントロールが得られた→可能なら中心視野検査も施行のうえ紹介を検討.
・高眼圧を認め,点眼加療,内服加療追加でも眼圧コントロールが得られない→可能なら中心視野検査も施行のうえ紹介.
・正常眼圧であるが緑内障性変化か頭蓋内病変などかが不明→自院で精査困難であれば紹介.
・隅角閉塞病態の場合→原則的には外科的治療が必要なため薬物治療が奏効していても紹介を検討.
《薬物治療を継続しているが視野障害に進行がみられる》
・眼圧下降は十分得られており,眼圧コントロールは良好,薬物治療は行えているが進行→30-2/24-2視野,中心視野,眼圧経過のデータとともに紹介.
・眼圧下降が不十分,点眼はfull medication→点眼内容は変えず,眼圧が高すぎる場合は内服を追加し,データとともに紹介.
・眼圧下降が不十分,点眼アレルギーなどで点眼加療が十分に行えない→使用可能な点眼,必要なら内服を追加し,データとともに紹介.
病院からクリニックへ逆紹介するとき
・点眼変更,整理などで安定し,観血的手術の必要はないと判断.
・レーザー治療,低侵襲緑内障手術,流出路再建術,隅角癒着解離術,水晶体再建術など観血的治療のうえ,点眼併用で眼圧が安定.
・濾過手術,チューブシャント手術などを施行,術後の経過は安定.
参考文献
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