icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

文献概要

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 5 緑内障

原発閉塞隅角緑内障

著者: 栗本康夫1

所属機関: 1神戸市立神戸アイセンター病院

ページ範囲:P.224 - P.228

文献購入ページに移動
クリニック・病院で診るときのポイント

クリニックで診るとき

《閉塞隅角があるかどうかの緑内障病型判定》

・閉塞隅角を疑わせる所見がないかどうか,細隙灯顕微鏡検査で必ずvan Herick法で周辺前房の深さを確認する.van Herick法で前房深度/角膜厚比が1/4以下(できれば1/3以下)であれば閉塞隅角の存在を疑う(図1).さらに,隅角鏡検査に習熟していれば同検査を行って原発閉塞隅角症疑い(表1)に該当するかどうかを判定する.

《重症度の評価:どのくらい緊急性があるか》

・緑内障視神経症がどのくらい進行しているか,視野検査および視神経乳頭所見により評価する.

・眼圧はどれくらいか測定を行い,亜急性緑内障発作を疑わせる既往がないか聴取する.

病院で診るとき

《治療適応の判定》

・本緑内障病型は原則として外科的治療が第一選択になるので,治療適応の有無の判定が重要.

《隅角閉塞メカニズムの判定》

・その症例に無効な治療を選択しないようにするためには,隅角閉塞メカニズムの判定が重要.

《最適な治療術式の決定》

・術式のメリットとデメリットを症例ごとによく吟味して,それぞれの症例に最適な術式を決定する.

参考文献

1)Foster P, He M, Liebmann J:Epidemiology, classification and mechanism. In:Weinreb RN, Friedman DS(eds):Angle closure and angle closure glaucoma. 1-20, Kugler Publications, Netherlands, 2006
2)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン(第4版).日眼会誌122:5-55,2018
3)Azuara-Blanco A, Burr J, Ramsay C et al:Effectiveness of early lens extraction for the treatment of primary angle-closure glaucoma(EAGLE):a randomised controlled trial. Lancet 388:1389-1397, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら