臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫？　病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド

7　網膜硝子体

網膜血管閉塞症

著者： 馬場高志¹

所属機関： ¹鳥取大学医学部視覚病態学分野

ページ範囲：P.281 - P.285

文献概要

クリニック・病院から紹介/逆紹介するときのポイント

クリニックから病院へ紹介するとき

・病型の診断が眼底所見からでは困難な場合．

《網膜静脈閉塞症》

・自施設で治療困難な場合は，数日以内に紹介．治療に抵抗し，治療が困難な場合は，次の治療スケジュール前に紹介．

《網膜動脈閉塞症》

・発症が早期で，診断時に自施設で治療が可能であれば，すぐに治療．治療困難な場合はすぐに紹介．

《眼虚血症候群》

・緊急性が高く，原因精査に限界があるため，治療困難な場合は早急に紹介．

病院からクリニックへ逆紹介するとき（下記条件をともに満たす状態）

・十分な原因の精査が終わり，全身疾患が定期的な内科医による管理下にある状態．

・定期的な治療，もしくは治療なしで活動が停止した状態．

参考文献

1）Murata T, Kondo M, Inoue M et al：The randomized ZIPANGU trial of ranibizumab and adjunct laser for macular edema following branch retinal vein occlusion in treatment-naïve patients. Sci Rep 11：551, 2021

2）門之園一明：網膜中心動脈閉塞症のアップデート．日眼会誌124：601-608，2020

3）Ogura Y, Kondo M, Kadonosono K et al：Current practice in the management of branch retinal vein occlusion in Japan：Survey results of retina specialists in Japan. Jpn J Ophthalmol 63：365-373, 2019

4）馬場高志・蝶野郁世・山﨑厚志・他：両眼の網膜中心動脈閉塞症を契機に発見された肺小細胞癌の1例．臨眼69：355-360，2015