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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻11号

2021年10月発行

文献概要

増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド 9 弱視斜視

小児内斜視

著者: 長谷部聡1

所属機関: 1川崎医科大学眼科学2教室

ページ範囲:P.340 - P.344

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クリニック・病院から紹介/逆紹介するときのポイント

クリニックから病院に紹介するとき

《斜視診療を専門としないクリニック》

・次の3つの要件を1つでも満たさない場合は,内斜視があると判断された時点で早めに病院(専門医)を紹介.

 ① 調節麻痺下の屈折検査ができる.

 ② 低年齢児の視力評価ができる.

 ③ 遮閉試験に精通した医師または視能訓練士がいる.

《斜視診療も専門とするクリニック》

・保護者に両眼視機能の仕組みや将来予想されるハンディキャップなどについて十分に説明したうえで,必要に応じて屈折矯正や弱視治療を行いつつ斜視手術に踏み切るタイミングを検討する.スムーズな病診連携を図るには,日頃から病院(術者)との情報交換も必要である.

病院からクリニックに逆紹介するとき

・逆紹介の時期も紹介時期と同様,紹介元が斜視診療にどの程度,重点を置いているかどうかで異なる.術後経過が良ければ術後3〜12か月で紹介元に返すことも多い.

参考文献

1)Shirabe H, Mori Y, Dogru M et al:Early surgery for infantile esotropia. Br J Ophthalmol 84:536-538, 2000
2)Simonsz HJ, Kolling GH, Unnebrink K:Final report of the early vs. late infantile strabismus surgery study(ELISSS), a controlled, prospective, multicenter study. Strabismus 4:169-199, 2005
3)長谷部 聡:検影法による調節検査—動的検影法(Dynamic Retinoscopy).あたらしい眼科31:651-657,2014
4)Imai T, Hasebe S, Furuse T et al:Adverse reactions to 1% cyclopentolate eye drops in children:an analysis using logistic regression models. Ophthalmic Physiol Opt 41:424-430, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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