文献詳細
文献概要
臨床報告
原因不明の両眼球結膜浮腫をきっかけにクッシング症候群と診断された1例
著者: 渕野恭子1 石戸岳仁1 武田莉沙1 小島一樹1 井上克洋1
所属機関: 1藤沢市民病院眼科
ページ範囲:P.239 - P.243
文献購入ページに移動症例:53歳,女性。
病歴:6か月前から持続する両眼球結膜浮腫,両眼球結膜充血を主訴に藤沢市民病院眼科を受診した。0.1%ベタメタゾン点眼を使用したが症状は改善しなかった。眼症状の発症と同時期から高血圧,顔面浮腫や両下腿浮腫もみられ胸腹部CT検査を施行したところ,左副腎腫瘍がみられた。血液検査で副腎皮質刺激ホルモンが低値,尿中コルチゾルが高値であり副腎性クッシング症候群と診断され,左副腎摘出術が施行された。手術後速やかな結膜浮腫,結膜充血の改善が得られた。
結論:眼症状を契機に最終的にクッシング症候群の診断に至った症例を経験した。局所の治療に反応せず遷延する両眼の眼球結膜浮腫,眼球結膜充血がみられた場合,全身疾患の1症状として眼症状が起きている可能性があるため他科と連携して精査を進めることが肝要であると考えられた。
参考文献
掲載誌情報