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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻3号

2021年03月発行

文献概要

連載 眼科図譜

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に併発した視神経乳頭浸潤病変・前部虚血性視神経症の1例

著者: 近江正俊1 山田晴彦1 髙橋寛二1

所属機関: 1関西医科大学附属病院眼科

ページ範囲:P.326 - P.329

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緒言

 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)は,気管支喘息などの素因がある患者に,末梢血中の好酸球増多と,全身性肉芽腫性血管炎を引き起こす疾患で,以前はChurg-Strauss症候群やアレルギー性肉芽腫性血管炎と呼ばれていた。眼症状として眼窩炎症性偽腫瘍,虚血性視神経症や網膜動静脈閉塞症などが報告されている1)

 今回筆者らは,ステロイド維持療法で寛解状態を得ていたEGPAの患者に,左眼優位の両眼の視神経乳頭への浸潤病変,および左眼の前部虚血性視神経症,網膜循環障害を認め,ステロイドテノン囊下注射で早期の改善を得た症例を経験したので報告する。

参考文献

1)Akella SS, Schlachter DM, Black EH et al:Ophthalmic eosinophilic granulomatosis with polyangiitis(Churg-Strauss Syndrome):A systematic review of the literature. Ophthalmic Plast Reconstr Surg 35:7-16, 2019
2)早川賢治・佐藤篤彦:アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)(Churg-Strauss症候群).日本臨牀51:779-784,1993
3)中馬秀樹:虚血性視神経症.臨眼73:197-201,2019
4)井上千鶴・中道悠太・杉山千秋・他:前部虚血性視神経症と網膜中心動脈閉塞症が併発したアレルギー性肉芽種性血管炎(Churg-Strauss症候群)の症例.臨眼67:369-376,2013
5)中川智憲・小黒浩明・豊田元哉・他:アレルギー性肉芽種性血管炎(Churg-Strauss症候群)に虚血性視神経症を合併した1例.神経眼科26:155-161,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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