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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

特集 第74回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著

ブリモニジン/チモロール配合点眼薬の処方パターンと短期的効果

著者: 小森涼子1 井上賢治1 國松志保2 石田恭子3 富田剛司13

所属機関: 1井上眼科病院 2西葛西・井上眼科病院 3東邦大学医療センター大橋病院眼科

ページ範囲:P.521 - P.526

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要約 目的:ブリモニジン酒石酸塩(ブリモニジン)/チモロールマレイン酸塩(チモロール)配合点眼薬(BTFC)処方症例の特徴と短期的効果を後向きに調査する。

対象と方法:2019年12月〜2020年7月に井上眼科病院でBTFCが新規投与された64例を対象とした。患者背景を調査した。前投薬へ追加症例,変更症例に分け,変更症例では変更前後の眼圧を比較した。

結果:男性31例,女性33例,平均年齢68.7±11.0歳であった。原発開放隅角緑内障43例,続発緑内障13例などであった。眼圧は16.9±5.2mmHg,使用薬剤数は3.6±1.4剤であった。追加症例は4例,変更症例は60例であった。変更症例はブリンゾラミド/チモロール配合点眼薬+ブリモニジン点眼薬からBTFC+ブリンゾラミド点眼薬へ変更(A群)32例,β遮断点眼薬からの変更(B群)11例,ブリモニジン点眼薬からの変更5例などであった。眼圧は,A群では変更前16.6±4.3mmHgと変更後16.7±4.6mmHgで同等(p=0.962),B群では変更前15.8±3.2mmHgに比べて変更後14.4±2.8mmHgに有意に下降した(p<0.05)。

結論:BTFCは同成分同士の変更,β遮断薬やブリモニジン点眼薬からの変更で使用される頻度が高かった。眼圧は同成分同士の変更では変化なく,眼圧下降効果は良好であった。

参考文献

1)Morizane Y, Morimoto N, Fujiwara A et al:Incidence and causes of visual impairment in Japan:the first nation-wide complete enumeration survey of newly certified visually impaired individuals. Jpn J Ophthalmol 63:26-33, 2019
2)Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study Group:The effectiveness of intraocular pressure reduction in the treatment of normal-tension glaucoma. Am J Ophthalmol 126:498-505, 1998
3)The AGIS Investigators. The Advanced Glaucoma Intervention Study(AGIS):7. The relationship between control of intraocular pressure and visual field deterioration. Am J Ophthalmol 130:429-440, 2000
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6)新家 眞・福地健郎・中村 誠・他:ブリモニジン/チモロール配合点眼液の原発開放隅角緑内障(広義)および高眼圧症を対象とした第Ⅲ相臨床試験—チモロールとの比較試験.あたらしい眼科37:336-344,2020
7)井上賢治・藤本隆志・石田恭子・他:ブリンゾラミド/チモロール配合点眼薬の処方パターン.あたらしい眼科32:1218-1222,2015
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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