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特集 第74回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
視覚関連補装具に関する全国の市区町村と更生相談所の現況
著者: 清水朋美1 堀寛爾1 山﨑伸也2
所属機関: 1国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部 2国立障害者リハビリテーションセンター支援機器イノベーション情報・支援室
ページ範囲:P.649 - P.655
文献購入ページに移動対象と方法:全国の市区町村と更生相談所を対象に調査票を郵送し,回答依頼を行った。
結果:市区町村は781/1,741か所(44.9%),更生相談所は70/77か所(90.9%)の回答を得た。市区町村での眼鏡(弱視用)の決定件数は少なかった。暗所視支援眼鏡と最新技術を盛り込んだ高機能白杖については,いずれも「知らない」の回答が60%台で最多であった。更生相談所では,「市区町村から視覚関連補装具に関する相談(判断に悩むケースなど)が入った場合に相談する先」は,理学療法士,看護師が多く,眼科医,視能訓練士は1件ずつであった。「視覚障害関連業務にかかわる更生相談所の常勤職員の視覚関連補装具に関する知識習得の機会」については,「ある」が30件(42.9%),「なし」が41件(58.6%)であった。「なし」の理由としては,「必要だと思うが,他業務の割合が多く,視覚関連の時間が取りにくい」が26件(61.9%)で最多であった。視覚関連の特例補装具については,「問い合わせもなく,全く判定したことはない」が47件(67.1%)で最多であった。
結論:市区町村,更生相談所ともに視覚関連補装具に関する最新情報,専門性の担保に課題があると考えられた。
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