文献詳細
文献概要
特集 第74回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
あけお眼科医院に車いすを用いて来院する患者の眼科臨床所見と全身疾患
著者: 明尾潔1 明尾庸子1 明尾慶一郎1 加藤帝子1
所属機関: 1あけお眼科医院
ページ範囲:P.662 - P.667
文献購入ページに移動対象と方法:過去91か月間に受診した26症例を解析した。男性9例,女性17例であり,年齢は54〜94歳(平均77歳)であった。
結果:視力0.5以上の視力低下の著しくない例は右眼20例(83.3%),左眼14例(58.3%),HFAにおけるMD値についても,−15dB以上の視野障害の著しくない例は右眼12例(92.4%),左眼9例(69.3%)と視力低下の著明でない例と同様にほぼ80%であった。眼科疾患として白内障9例(34.6%),正常眼圧緑内障9例(34.6%),網膜疾患7例(26.9%)であった。全身疾患として脳出血,脳梗塞などの脳血管疾患が10例(38.5%),認知症,パーキンソン病などの脳神経疾患は8例(30.7%)と頭蓋内疾患が多かった。
結論:車いす使用の患者は視機能が温存され,頭蓋内疾患を伴う症例が多いため,HFA検査による精査のために来院を容易にさせるためにも,バリアフリーを施設に取り入れる必要があると思われた。
参考文献
掲載誌情報