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特集 第74回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
VERION®によるトーリックIOL挿入術においてPurkinje像を一致させる必要性の検討
著者: 柳川俊博1
所属機関: 1やながわ眼科
ページ範囲:P.779 - P.784
文献購入ページに移動要約 目的:VERION®にてトーリック眼内レンズ(IOL)の軸合わせを行う際に,Purkinje像を一致させる必要があるか検討した。
対象と方法:対象はトーリックIOLを挿入した24眼。挿入したirrigation and aspiration(I/A)でPurkinje像を一致させた。その状態のまま,I/A先端でIOLの軸合わせを行い,VERION®にて撮影した(A群)。I/A抜去後,自由眼位の状態で再度撮影した(B群)。A群,B群の画像から,VERION投影線と軸マークの角度を測定した。両者の角度差の分布やウィルコクソンの符号付順位和検定を行い検討した。
結果:A群とB群の角度差は0〜1.7°(平均0.77±0.54°)であった。1°未満が15/24(62.5%)であった。A群とB群に有意差はなかった(p=0.121)。
結論:VERION®によるトーリックIOLの軸合わせは,Purkinje像を一致させなくてもよい可能性がある。
対象と方法:対象はトーリックIOLを挿入した24眼。挿入したirrigation and aspiration(I/A)でPurkinje像を一致させた。その状態のまま,I/A先端でIOLの軸合わせを行い,VERION®にて撮影した(A群)。I/A抜去後,自由眼位の状態で再度撮影した(B群)。A群,B群の画像から,VERION投影線と軸マークの角度を測定した。両者の角度差の分布やウィルコクソンの符号付順位和検定を行い検討した。
結果:A群とB群の角度差は0〜1.7°(平均0.77±0.54°)であった。1°未満が15/24(62.5%)であった。A群とB群に有意差はなかった(p=0.121)。
結論:VERION®によるトーリックIOLの軸合わせは,Purkinje像を一致させなくてもよい可能性がある。
参考文献
1)ビッセン宮島弘子・谷口紗織・南慶一郎:軸合わせの注意点.ビッセン宮島弘子・谷口紗織・南慶一郎(編):これでわかる!高機能眼内レンズ.92,メジカルビュー,2018
2)魚里 博:眼光学の基礎.VISON 1:73-86,1989
3)魚里 博:屈折矯正における眼球光学系と視機能検査.視覚の科学22:66-84,2001
4)所 敬:Quality of Visionと幾何光学.視覚の科学25:60-65,2004
5)Alpins NA:A new method of analyzing vectors for change in astigmatism. J Cataract Refract Surg 19:524-533, 1993
6)Cha D, Kang SY, Kim SH et al:New axis-marking method for a toric intraocular lens:mapping method. J Refract Surg 27:375-379, 2011
7)Kessel L, Andresen J, Tendal B et al:Toric intraocular lenses in the correction of astigmatism during cataract surgery:a systematic review and meta-analysis. Ophthalmology 123:275-286, 2016
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