臨床眼科75巻8号

2021年08月発行

連載 国際スタンダードを理解しよう！　近視診療の最前線・11

—成人の近視にはどうしたらよいか？—成人の近視の屈折矯正

著者： 十河亜梨紗¹

所属機関： ¹東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野

ページ範囲：P.1018 - P.1023

◆成人近視とは，20歳以上の年齢で発症した近視であり，その原因としては調節の残効，眼軸延長などが考えられる。

◆老視とは，加齢に伴って調節力が減退し，調節しても近方視が困難な状態を指す。

◆成人近視の屈折矯正法として保存療法と手術療法があるため，それぞれの利点と欠点を正しく理解する必要がある。

参考文献

1）所　敬：近視の発生時期による分類．あたらしい眼科19：1123-1129，2002

2）Saka N, Ohno-Matsui K, Shimada N et al：Long-term changes in axial length in adult eyes with pathologic myopia. Am J Ophthalmol 150：562-568, 2010

3）土至田　宏：遠近両用CL概論．眼科グラフィック7：542-548，2018

4）松澤亜紀子：遠近両用ソフトコンタクトレンズ．眼科グラフィック7：556-565，2018

5）所　敬：眼鏡による屈折矯正の基本．あたらしい眼科27：717-722，2010

6）五十嵐章史：屈折矯正手術の最新動向．視覚の科学37：36-40，2016

7）長谷部　聡：眼鏡による強度近視の矯正—超高屈折率両面非球面レンズ．あたらしい眼科30：1047-1052，2013

8）柳井亮二：遠近両用ハードコンタクトレンズ．眼科グラフィック7：549-555，2018

9）大橋裕一・木下　茂・澤　充・他；日本眼科学会屈折矯正委員会：屈折矯正手術のガイドライン（第7版）．日眼会誌123：167-169，2019

10）鈴木高佳・ビッセン宮島弘子：強度近視眼に対する屈折矯正手術：Wavefront-guided LASIK vs有水晶体眼内レンズ．あたらしい眼科22：1225-1226，2005

11）常吉由佳里：LASIKを行うと老視がはやくなる？　あたらしい眼科33：1007-1008，2016