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臨床報告
遺伝子解析を行った結膜寄生の東洋眼虫症の2例
著者: 石部智也1 日野翔太1 岸大地1 横山勝彦1 瀬戸陽子2 飛彈野真也35 小林隆志3 長谷川英男4 久保田敏昭1
所属機関: 1大分大学医学部眼科学講座 2瀬戸病院眼科 3大分大学医学部感染予防学講座 4大分大学医学部医生物学講座 5国立国際医療研究センター研究所免疫制御研究部
ページ範囲:P.1026 - P.1030
文献購入ページに移動症例:症例1は78歳,男性。眼脂を主訴に受診した。症例2は80歳,男性。寝たきりの状態で入院中に看護師が偶然結膜囊に虫体を発見した。
所見:症例1は両眼の結膜囊に蠕動する虫体が確認され摘出,計6隻摘出した。症例2は両眼に1隻ずつ確認し左眼より1隻を摘出,以後いずれも確認されなくなった。光学顕微鏡で東洋眼虫と同定し,症例1では雄1隻,雌5隻,症例2は雄であった。症例1の雌1隻と症例2の虫体についてmtDNAの
結論:東洋眼虫症は九州に多いとされてきたが,近年は他の地域からの報告も多い。遺伝子解析は起源,感染の拡大経路を調べるうえで重要な所見である。本症例のハプロタイプ10はヒト感染の初の報告である。
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