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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科75巻9号

2021年09月発行

文献概要

今月の表紙

角膜インレーKAMRATM

著者: 永野幸一1 井上幸次2

所属機関: 1北里大学病院 2鳥取大学

ページ範囲:P.1140 - P.1140

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 症例は60歳,女性。右眼の見づらさを主訴に白内障手術目的で当院を紹介され受診となった。初診時の視力は左右とも(1.2),眼圧は左右とも11mmHgであり,中間透光体は,左右ともにEmery-Little分類のgrade 2の白内障を認め,眼球光学特性解析装置(OQAS)で散乱値の上昇が認められた。また,左眼角膜に老視対策用の角膜インレーが挿入されていた。眼底に異常はなかった。

 白内障手術に際しては,患者の希望と左眼の角膜インレーを温存することで中間距離までの視力が期待できることを勘案して,正視狙いで水晶体超音波乳化吸引術+眼内レンズ(IOL)挿入術を施行した。術後3か月目の視力はVd=1.5(2.0×cyl−0.50D 180°×IOL),NVd=0.15(1.0×+3.00 D()cyl−0.50D 180°×IOL),Vs=0.3(2.0×−2.25D()cyl−0.50D 25°×IOL),NVs=1.0×IOLであり,左眼は予定より近視化しモノビジョンとなっているが,術後経過は良好である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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