文献詳細
特集 第74回日本臨床眼科学会講演集[7]
原著
当院における網膜光凝固術を必要とした未熟児網膜症の検討
著者: 福岡聖也1 横山康太1 齋藤雄太1 恩田秀寿1
所属機関: 1昭和大学医学部眼科学講座
ページ範囲:P.1247 - P.1251
文献概要
対象と方法:昭和大学病院で2014年1月〜2019年12月に出生した出生体重1,800g未満,在胎週数34週未満,または出生後に酸素投与した症例のいずれかを満たした新生児495例のうち,ROPを発症した85例を対象とした。ROPの活動期分類には国際分類を用い,stage 1以上を発症とした。PCはpre-threshold ROPの段階で行った。PCを施行したPC群と施行しなかった非PC群において,出生体重・在胎週数について比較検討を行った。また,全身合併症としてApgar score 1分値・輸血実施・60日以上の人工呼吸・敗血症・新生児呼吸窮迫症候群・慢性肺疾患・動脈管開存症・脳室内出血・脳室周囲白質軟化症について,PCの有無を多変量解析した。
結果:ROP発症85例のうち,PC群は32例(38%)であった。PC群は非PC群と比較して有意に出生体重は少なく(p<0.01),在胎週数は短かった(p<0.01)。PCとなる全身合併症に関して多変量解析を行った結果,PC群は非PC群と比較し,輸血実施・60日以上の人工呼吸・慢性肺疾患が有意に多かった。
結論:ROPの重症化因子として,輸血実施・60日以上の人工呼吸・慢性肺疾患が関連していると推定した。上記リスクファクターを抱えた症例の観察には注意が必要である。
参考文献
掲載誌情報