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Book Review
角膜クリニック 第3版
著者: 大鹿哲郎1
所属機関: 1筑波大・眼科学
ページ範囲:P.81 - P.81
文献購入ページに移動 待望の『角膜クリニック 第3版』が刊行された,などと書くと,いかにも月並みな書評の書き出しとなってしまうが,しかし1990年の初版,2003年の第2版を長らく愛用してきた評者にとって,まこと「待望の」あるいは「待ちに待った」第3版というのが偽らざる感想である。今回,31年前の初版を久しぶりに取り出してみたのだが,多くの付箋や下線が残っており,よく勉強させてもらったという記憶がよみがえってきた。角膜を学ぶ眼科医が必ず手に取る良書であった。赤本と呼ばれた初版,新赤本と呼ばれた第2版とも,すでに背表紙は色あせて赤くはない。時の流れを感じる。
さて,18年ぶりの改訂である。阪大眼科角膜グループの伝統を反映した,非常に実務的で,無駄のない優れた教科書という印象は変わらない。今回最も大きな変化と感じたのは,基礎編という項目をなくしたことである。前版までは,生理・生化・発生・免疫・微生物学・創傷治癒・薬学・遺伝子などの知識が,巻末にまとめて記されていた。今版では,それらの基礎知識を,臨床編や治療編の中に入れ込んで解説するようになっている。これにより基礎的知識と臨床的知識を結び付けやすくなり,角膜の機能や疾患をより有機的に理解できるようになった。
さて,18年ぶりの改訂である。阪大眼科角膜グループの伝統を反映した,非常に実務的で,無駄のない優れた教科書という印象は変わらない。今回最も大きな変化と感じたのは,基礎編という項目をなくしたことである。前版までは,生理・生化・発生・免疫・微生物学・創傷治癒・薬学・遺伝子などの知識が,巻末にまとめて記されていた。今版では,それらの基礎知識を,臨床編や治療編の中に入れ込んで解説するようになっている。これにより基礎的知識と臨床的知識を結び付けやすくなり,角膜の機能や疾患をより有機的に理解できるようになった。
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