icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科76巻10号

2022年10月発行

今月の表紙

眼皮膚白皮症(無散瞳下・徹照法)

著者: 八木治身1 堀裕一2

所属機関: 1昭和大学病院附属東病院眼科 2東邦大学

ページ範囲:P.1340 - P.1340

文献概要

 患者は68歳,女性。主訴は両眼の視力低下と羞明。精査および加療目的にて近医を受診し,両眼の白内障(エメリー・リトル分類グレード3)を指摘された。白内障手術の適応,可否の判断を含めた加療目的にて当科を紹介され受診となった。幼少期から眼皮膚白皮症を指摘されており,水平性眼振,黄斑低形成があった。初診時視力は左0.01(0.03×−16.0D()cyl−6.0D 180°)であった。白内障手術適応と判断し,超音波水晶体乳化吸引術,眼内レンズ挿入術を施行した。術後視力は0.06(0.08×−3.75D()cyl−5.5D 170°)に改善した。白内障手術の1か月後に前眼部写真を撮影したところ,ディフューザー照明下では灰白色の虹彩が認められたが,徹照法にて撮影するとスリット光が虹彩を透過し,眼底からの反帰光によって眼内レンズが描出された。虹彩のメラニン色素が欠損しているため,透過しないはずのスリット光が無散瞳下でも眼底まで届いている。

 Righton社製デジタル細隙灯RS-1000を使用し,スリット長5mm,幅1mm,画角10°に設定し徹照法にて撮影した。水平眼振があるため振幅のパターンを予測しつつ,フレームアウトしないようセンタリングやフォーカスに注意しながら撮影を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら