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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科76巻10号

2022年10月発行

文献概要

特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著

兵庫県立こども病院における先天性外眼筋線維症4例の手術成績

著者: 中野由美子1 野村耕治1 牧仁美1 河原佳奈1

所属機関: 1兵庫県立こども病院眼科

ページ範囲:P.1422 - P.1426

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要約 目的:兵庫県立こども病院(以下,当院)にて斜視手術を行った先天性外眼筋線維症(CFEOM)4症例について報告する。

対象と方法:当院にて斜視手術を行ったCFEOM 4症例を対象とした。診療録より家族歴,手術時期および術式を抽出し,視力,眼位,頭位異常,両眼視機能の経過を術前後で比較した。

結果:症例1は術前,術後ともに眼瞼下垂は軽度であり保存的に経過を診ている一方,症例2〜4はCFEOMとして先に眼瞼下垂手術を行っていた。症例2と3は双胎児であり,眼瞼下垂手術,両下直筋後転術の手術時期は同じであったが,症例3の弱視はより高度であった。症例2は両下直筋後転術後,内斜視も改善した一方,症例3は45Δ以上の内斜視が残存し,両内直筋後転術が必要であった。症例4は両下直筋追加後転術後,内斜視も改善した。4症例すべてに術前の眼球の下方固定による顎上げ頭位を認めたが,いずれも手術後に改善した。全例で両眼視機能は改善しなかった。

結論:内斜視の推移は術前眼位に依存していた。眼球の下方固定による顎上げ頭位はすべての症例で認めたが,手術後に全例改善した。両眼視機能の改善は4症例ともにみられず,これは既報通りであった。

参考文献

1)三村 治:神経眼科学を学ぶ人のために 第3版.医学書院,東京,2014
2)Yazdani A, Traboulsi EI:Classification and surgical management of patients with familial and sporadic forms of congenital fibrosis of the extraocular muscles. Ophthalmology 111:1035-1042, 2004
3)Harley RD, Rodrigues MM, Crawford JS:Congenital fibrosis of the extraocular muscles. Trans Am Ophthalmol Soc 76:197-226, 1978
4)Vivian AJ:Congenital fibrosis of the extra-ocular muscles(CFEOM)and the cranial dysinnervation disorders. Eye(Lond) 34:251-255, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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