文献詳細
文献概要
特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
兵庫県立こども病院における先天性外眼筋線維症4例の手術成績
著者: 中野由美子1 野村耕治1 牧仁美1 河原佳奈1
所属機関: 1兵庫県立こども病院眼科
ページ範囲:P.1422 - P.1426
文献購入ページに移動対象と方法:当院にて斜視手術を行ったCFEOM 4症例を対象とした。診療録より家族歴,手術時期および術式を抽出し,視力,眼位,頭位異常,両眼視機能の経過を術前後で比較した。
結果:症例1は術前,術後ともに眼瞼下垂は軽度であり保存的に経過を診ている一方,症例2〜4はCFEOMとして先に眼瞼下垂手術を行っていた。症例2と3は双胎児であり,眼瞼下垂手術,両下直筋後転術の手術時期は同じであったが,症例3の弱視はより高度であった。症例2は両下直筋後転術後,内斜視も改善した一方,症例3は45Δ以上の内斜視が残存し,両内直筋後転術が必要であった。症例4は両下直筋追加後転術後,内斜視も改善した。4症例すべてに術前の眼球の下方固定による顎上げ頭位を認めたが,いずれも手術後に改善した。全例で両眼視機能は改善しなかった。
結論:内斜視の推移は術前眼位に依存していた。眼球の下方固定による顎上げ頭位はすべての症例で認めたが,手術後に全例改善した。両眼視機能の改善は4症例ともにみられず,これは既報通りであった。
参考文献
掲載誌情報