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特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
MALTリンパ腫との鑑別を要した限局性結膜アミロイドーシスの1例
著者: 足立瑛美12 福岡秀記1 吉岡誇1 植田光晴3 外園千恵1
所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2京都第二赤十字病院眼科 3熊本大学アミロイドーシス診療センター
ページ範囲:P.1440 - P.1444
文献購入ページに移動症例:82歳,男性。半年前からの左眼の異物感を主訴に前医を受診し,結膜腫瘍疑いで京都府立医科大学附属病院へ紹介され受診となった。初診時の視力は両眼(0.4)で,左眼の下眼瞼結膜円蓋部に黄色の隆起性病変を認めた。腫瘍部分切除を施行し,病理検査でcongo red染色で橙赤色のアミロイド沈着を認めた。前駆蛋白から病型を診断したところ,ALアミロイドーシスλ型であったため,全身性アミロイドーシスの有無を精査したが結膜以外の病変はなく,限局性結膜アミロイドーシスと診断した。
結論:眼科領域のアミロイドーシスは限局性の報告が大半で,上眼瞼への沈着を認める場合には,患眼の眼瞼下垂の要因となる。本症例では,結膜円蓋部への沈着が優位であったため,MALTリンパ腫との鑑別を要した。また,アミロイドーシスと診断された場合には,内科的に全身性アミロイドーシスを除外することが重要である。
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