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増刊号 最新臨床研究から探る眼科臨床のギモンQ&A 5 網膜硝子体
滲出型加齢黄斑変性の治療にはどのようなエビデンスがありますか?
著者: 柳靖雄1
所属機関: 1横浜市立大学医学研究科医科学視覚再生外科学教室
ページ範囲:P.190 - P.192
文献購入ページに移動視力を維持するという点で抗VEGF薬(ベバシズマブ,ラニビズマブ,アフリベルセプト,ブロルシズマブ,ファリシマブ)の有効性が示されています.これまでの臨床研究によると,未治療の中心窩黄斑部新生血管を伴う加齢黄斑変性患者に対する視力改善の程度については,薬剤による違いは認めていません.ファリシマブは最大で16週間隔の投与が可能ですが,どの薬剤が最も治療間隔を延長し患者の治療負担軽減につながるかは明らかとなっていません.臨床試験のサンプルサイズでは,稀な安全性転帰の違いや忍容性を推定するのに十分ではないかもしれません.
参考文献
1)Rosenfeld PJ et al;MARINA Study Group:Ranibizumab for neovascular age-related macular degeneration. N Engl J Med 355:1419-1431, 2006
2)Brown DM et al;ANCHOR Study Group:Ranibizumab versus verteporfin for neovascular age-related macular degeneration. N Engl J Med 355:1432-1444, 2006
3)Heier JS et al;VIEW1 and VIEW2 Study Groups:Intravitreal aflibercept(VEGF trap-eye)in wet age-related macular degeneration. Ophthalmology 119:2537-2548, 2012
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