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臨床報告
緑内障チューブシャント眼に対するDSAEKにおいて空気注入後の眼圧変動を追えた1例
著者: 青木雄一1 後藤田知邦1 柿栖康二1 岡島行伸1 鈴木崇1 堀裕一1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院眼科
ページ範囲:P.1585 - P.1590
文献購入ページに移動症例:患者は60歳台,男性。左眼の緑内障に対して過去6回の緑内障手術(線維柱帯切除術2回,濾過胞形成術2回,チューブシャント術2回)を受けている。左眼の水疱性角膜症に対しDSAEKを施行したところ,術後に移植片接着不良を認め,角膜縫合および空気注入を施行するも接着せず,再度空気注入を行った。2度目の空気注入は処置室で行い,仰臥位のまま経時的に手持ち眼圧計(iCare®)で眼圧を計測した。空気注入直後は27mmHgであったが,35分後には19mmHgとなり,再度空気を注入し40mmHgとなった。さらに60分後には19mmHgとなり,空気を再注入した。合計160分仰臥位を続け,帰室した。その後,移植片は接着し,視力改善がみられたものの,術後1か月時の視野検査では術前と比べて周辺視野の狭窄が認められた。
結論:緑内障術後患者に対するDSAEKでは,空気注入後の比較的早期に眼圧が低下するため注意を要する。本症例では複数回の空気注入を要し,視力は向上したが,周辺視野に影響がみられた。
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