icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科76巻13号

2022年12月発行

文献概要

臨床ノート

アジスロマイシン点眼によりマイボーム腺機能不全に伴う流涙感と皮膚症状が改善した3症例

著者: 原田有理1 沼朝代1

所属機関: 1沼眼科

ページ範囲:P.1740 - P.1744

文献購入ページに移動
緒言

 マイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction:MGD)を呈したドライアイ患者にはしばしば「会話中,悲しくないのに涙が出て困る」「いつも涙をぬぐっているので,ハンカチが手放せない」などの訴えがあり,流涙感はquality of life(QOL)の低下を招いている。

 蒸発亢進型ドライアイの診断を行う際には,フルオレセイン試験紙を用いて涙液を染色する涙液層破壊時間(break-up time:BUT)の測定が必要であるが,その際に低倍率のスリットランプで眼瞼縁周囲の皮膚を確認すると,染色された涙液が粘膜皮膚移行部を越えて流出し,皮膚割線や皮溝に沿って広がっている様子を確認することがある。

参考文献

1)ドライアイ研究会診療ガイドライン作成委員会:ドライアイ診療ガイドライン.日眼会誌123:489-592,2019
2)マイボーム腺機能不全ワーキンググループ:マイボーム腺機能不全の定義と診断基準.あたらしい眼科27:627-631,2010
3)島﨑 潤:マイボーム腺機能不全診断の最近の進歩.日眼会誌116:711-713,2012
4)Zhang L, Su Z, Zhang Z et al:Effects of azithromycin on gene expression profiles of proinflammatory and anti-inflammatory mediators in the eyelid margin and conjunctiva of patients with meibomian gland disease. JAMA Ophthalmol 133:1117-1123, 2015
5)Kobayashi T, Shinkai H:Leptomycin B reduces matrix metalloproteinase-9 expression and suppresses cutaneous inflammation. J Invest Dermatol 124:331-337, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?