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臨床ノート
オキシブプロカイン塩酸塩0.4%(ベノキシール®)点眼麻酔薬による,眼科医の左手指にできたアレルギー性接触皮膚炎の1例
著者: 岩瀬光1
所属機関: 1岩瀬眼科医院
ページ範囲:P.1745 - P.1747
文献購入ページに移動緒言
オキシブプロカイン塩酸塩0.4%(ベノキシール®点眼液0.4%;以下,ベノキシール)は,点眼麻酔薬として眼科の検査,治療,手術で必要不可欠なものである。副作用は,添付文書ではアナフィラキシーショックおよび角膜びらんの報告のみであるが,眼科論文の報告では角膜障害や角膜穿孔の報告もある1〜5)。また,皮膚科の論文では,緑内障眼圧検査後の患者の眼瞼における接触皮膚炎の報告がある6,7)。今回,眼科医の左手指にできたアレルギー性接触皮膚炎の症例を経験したので,眼科医には重要であると考え報告する。
オキシブプロカイン塩酸塩0.4%(ベノキシール®点眼液0.4%;以下,ベノキシール)は,点眼麻酔薬として眼科の検査,治療,手術で必要不可欠なものである。副作用は,添付文書ではアナフィラキシーショックおよび角膜びらんの報告のみであるが,眼科論文の報告では角膜障害や角膜穿孔の報告もある1〜5)。また,皮膚科の論文では,緑内障眼圧検査後の患者の眼瞼における接触皮膚炎の報告がある6,7)。今回,眼科医の左手指にできたアレルギー性接触皮膚炎の症例を経験したので,眼科医には重要であると考え報告する。
参考文献
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