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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科76巻2号

2022年02月発行

文献概要

特集 眼瞼疾患の「切らない」治療 vs 「切る」治療

麦粒腫の「切らない」治療

著者: 白川理香12

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東都文京病院眼科

ページ範囲:P.140 - P.143

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●麦粒腫は眼瞼に付属する腺組織の急性細菌感染症であり,主な起炎菌は黄色ブドウ球菌である。

●軽症例は温罨法および抗菌薬点眼,眼軟膏で治療を行う。

●重症例は抗菌薬内服を検討する。第1世代セフェム系抗菌薬が第1選択である。第3世代セフェム系抗菌薬内服は,抗菌薬の適正使用の観点および小児におけるピボキシル基含有抗菌薬の低血糖誘発リスクのため推奨されない。

●明らかに膿点がある場合は,注射針で穿刺して圧出・排膿すると改善が早い。

参考文献

1)小幡博人:霰粒腫・麦粒腫.野田実香(編):専門医のための眼科診療クオリファイ10 眼付属器疾患とその病理.p46-51,中山書店,東京,2012
2)小幡博人:麦粒腫,霰粒腫.村田敏規(編):専門医のための眼科診療クオリファイ15 メディカルオフサルモロジー眼薬物治療のすべて.p364-368,中山書店,東京,2012
3)麦粒腫(ものもらい):日本語版サンフォード感染症治療ガイド(アップデート版)(https://lsp-sanford.jp)(閲覧日:2021年8月28日)
4)Lindsley K, Nichols JJ, Dickersin K:Non-surgical interventions for acute internal hordeolum. Cochrane Database Syst Rev. doi:10.1002/14651858.CD007742.pub4, 2017
5)Arita R, Fukuoka S:Efficacy of azithromycin eyedrops for individuals with meibomian gland dysfunction-associated posterior blepharitis. Eye Contact Lens 47:54-59, 2021
6)伊藤 進・吉川徳茂・板橋家頭夫・他:日本小児科学会薬事委員会報告 ピボキシル基含有抗菌薬投与による二次性カルニチン欠乏症への注意喚起.日本小児科学会雑誌116:804-806,2012
7)医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い ピボキシル基を有する抗菌薬投与による小児等の重篤な低カルニチン血症と低血糖について(https://www.pmda.go.jp/files/000143929.pdf)(閲覧日:2021年8月28日)
8)日本小児科学会薬事委員会:ピボキシル基含有抗菌薬の服用に関連した低カルニチン血症に係る注意喚起(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20190820pivoxil_chuikanki.pdf)(閲覧日:2021年8月28日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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