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臨床報告
緑内障点眼薬を投与されているドライアイを合併した緑内障患者におけるジクアホソルナトリウムの効果
著者: 小林博1
所属機関: 1国立病院機構関門医療センター眼科
ページ範囲:P.236 - P.240
文献購入ページに移動要約 目的:緑内障点眼薬を投与されている,ドライアイを合併している緑内障患者に対するジクアホソルナトリウム(ジクアホソル)の効果を調査した。
対象と方法:対象は,緑内障薬を投与される緑内障患者367名(年齢74.0±10.7歳,女性211名,男性156名)である。ドライアイの症状を訴えた患者にジクアホソル点眼液を処方し,6か月にわたり,ドライアイの自覚症状および他覚症状を観察した。両眼施行例では,先に右眼を解析に用いた。自覚症状はocular surface disease index,角膜上皮障害はOxford schemeで評価した。
結果:緑内障薬を投与されている緑内障患者367名中54名(年齢77.8±8.3歳,女性37名,男性17名)がドライアイの症状を訴えた。症状を訴えた患者は,訴えなかった患者に比較して有意に高齢であり(p=0.0054),点眼している緑内障薬剤数は多かった(p=0.0004)。角膜上皮障害がなかった患者は95%が緑内障薬点眼回数が1回/日であったのに対して,角膜上皮障害がみられた患者では66%が緑内障薬点眼回数が複数回/日であった(p<0.0001)。ジクアホソル投与後6か月間ではいずれの症例においても眼圧に変化はなかった。調査開始時,2か月後,4か月後,6か月後の全症例の涙液層破壊時間は,2.1±1.0秒,4.2±1.0秒,4.4±0.9秒,4.3±0.9秒であり,有意に改善していた(p<0.0001)。全症例の角膜上皮障害スコアは2.9±2.9,0.4±0.8,0.3±0.6,0.2±0.4で有意に減少していた(p<0.0001)。調査開始時,6か月後の全症例の自覚症状スコアは22.1±6.1,19.8±6.1であった(p=0.0420)。
結語:緑内障薬を点眼しているドライアイ患者に対してジクアホソルを投与すると,自覚症状および他覚症状は有意に改善し,有効であった。眼圧に有意な変化はなかった。
対象と方法:対象は,緑内障薬を投与される緑内障患者367名(年齢74.0±10.7歳,女性211名,男性156名)である。ドライアイの症状を訴えた患者にジクアホソル点眼液を処方し,6か月にわたり,ドライアイの自覚症状および他覚症状を観察した。両眼施行例では,先に右眼を解析に用いた。自覚症状はocular surface disease index,角膜上皮障害はOxford schemeで評価した。
結果:緑内障薬を投与されている緑内障患者367名中54名(年齢77.8±8.3歳,女性37名,男性17名)がドライアイの症状を訴えた。症状を訴えた患者は,訴えなかった患者に比較して有意に高齢であり(p=0.0054),点眼している緑内障薬剤数は多かった(p=0.0004)。角膜上皮障害がなかった患者は95%が緑内障薬点眼回数が1回/日であったのに対して,角膜上皮障害がみられた患者では66%が緑内障薬点眼回数が複数回/日であった(p<0.0001)。ジクアホソル投与後6か月間ではいずれの症例においても眼圧に変化はなかった。調査開始時,2か月後,4か月後,6か月後の全症例の涙液層破壊時間は,2.1±1.0秒,4.2±1.0秒,4.4±0.9秒,4.3±0.9秒であり,有意に改善していた(p<0.0001)。全症例の角膜上皮障害スコアは2.9±2.9,0.4±0.8,0.3±0.6,0.2±0.4で有意に減少していた(p<0.0001)。調査開始時,6か月後の全症例の自覚症状スコアは22.1±6.1,19.8±6.1であった(p=0.0420)。
結語:緑内障薬を点眼しているドライアイ患者に対してジクアホソルを投与すると,自覚症状および他覚症状は有意に改善し,有効であった。眼圧に有意な変化はなかった。
参考文献
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