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著者: 坂本泰二
所属機関:
ページ範囲:P.258 - P.258
さて,今回の特集は『眼瞼疾患の「切らない」治療 vs 「切る」治療』です。歴史を振り返ると,眼科学は外科学の一分野として発展してきたので,「切る」治療は当然のことと考えられてきました。ただし,「切る」治療への患者側の心理的抵抗感や恐怖は無視できないものであり,「切らない」治療の必要性は年々増大してきました。これは他の外科領域でも同様で,消化器外科では開腹手術の割合が減少し,腹腔鏡手術の割合が増加していることはご承知のことだと思います。つまり,社会全体ができるだけ「切らない」治療を求めているのです。とは申すものの,日常眼科診療ではかつては「切る」治療であったものが,現在は「切らない」治療になったことの具体的例を思い浮かべることは簡単ではないでしょう。そこで,今回はその特集を組みました。「切らない」治療に越したことはありません。しかし,その限界や問題点も少なくはありません。今回の特集で,その点を理解されて,明日の診療につなげていただければと思います。
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