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特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
井上眼科病院のロービジョン専門外来を受診した患者の介護保険の利用状況
著者: 鶴岡三惠子1 永沼加代子1 井上賢治1
所属機関: 1井上眼科病院
ページ範囲:P.362 - P.367
文献購入ページに移動対象と方法:2019年1月から2年間にLV外来を受診した65歳以上の患者96例を対象とした。介護保険の利用状況等について後ろ向きに調査を行った。
結果:年齢は65〜92歳(平均75±7歳)であった。性別は男性39例であった。原因疾患は緑内障が最多で43例であった。視力はFunctional Visual Score(FVS)の機能的視力スコア(FAS)に換算すると,平均53±30(小数視力で0.1程度)であった。視覚の身体障害者手帳(手帳)の利用率は99%,介護保険利用率は28%であった。井上眼科病院からの申請は5例で,要支援2が2例,要介護1が2例,要介護2が1例であった。5例すべてが手帳は2級以上の重度障害であり,FVSは0〜26(平均スコア6±10:盲の範囲)であった。
結論:井上眼科病院のLV外来を受診した65歳以上の患者では,緑内障が多く,手帳の利用率は高いが,介護保険の利用率は28%と低かった。介護保険は患者や家族の助けになる制度で啓発が必要である。
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