文献詳細
特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[2]
原著
文献概要
要約 目的:あけお眼科医院に来院する裂孔原性網膜剝離(RRD)患者の症状,臨床所見,受入れ先医療機関からの情報を調べ,手術方法,手術までの期間,術前術後の視機能〔矯正視力(視力),ハンフリー視野検査(HFA)〕について検討した結果の報告。
対象と方法:過去185か月間に受診した34症例を解析した。男性26例,女性8例,年齢は12〜68歳(平均46歳)であった。
結果:主な自覚症状は,視野欠損17例(50.0%),飛蚊症のみ8例(23.5%)であり,発症から診断まで平均6.9日であった。患眼は右24例(70.6%),左10例(29.4%)。裂孔形状は萎縮円孔10例(29.4%),円孔4例(11.8%),馬蹄形裂孔16例(47.1%)であり,位置は上耳側16例(47.1%),下耳側9例(26.5%)であった。網膜剝離の範囲は1象限19例(55.9%),2象限8例(23.5%)であった。27例(79.4%)の受入れ先医療機関からの報告では,診断から加療まで平均4.0日であり,光凝固のみ8例(29.6%),バックリング7例(25.9%),硝子体手術11例(40.7%)であった。経過観察は24例(70.6%)(HFA 12例)に可能であった。術前術後の比較では,視力は0.4以下の症例は術前8例(33.3%)が術後2例(8.3%)に,1.0以上は術前11例(45.8%)が術後16例(66.7%)になった。HFAのMD値の平均は術前−11.9dBが術後−4.0dBと回復した。
結論:自覚症状発現後早期に来院し,迅速に加療が行われたRRD患者では視機能の回復が認められ,他の医療機関との密接な連携が重要であると思われた。
対象と方法:過去185か月間に受診した34症例を解析した。男性26例,女性8例,年齢は12〜68歳(平均46歳)であった。
結果:主な自覚症状は,視野欠損17例(50.0%),飛蚊症のみ8例(23.5%)であり,発症から診断まで平均6.9日であった。患眼は右24例(70.6%),左10例(29.4%)。裂孔形状は萎縮円孔10例(29.4%),円孔4例(11.8%),馬蹄形裂孔16例(47.1%)であり,位置は上耳側16例(47.1%),下耳側9例(26.5%)であった。網膜剝離の範囲は1象限19例(55.9%),2象限8例(23.5%)であった。27例(79.4%)の受入れ先医療機関からの報告では,診断から加療まで平均4.0日であり,光凝固のみ8例(29.6%),バックリング7例(25.9%),硝子体手術11例(40.7%)であった。経過観察は24例(70.6%)(HFA 12例)に可能であった。術前術後の比較では,視力は0.4以下の症例は術前8例(33.3%)が術後2例(8.3%)に,1.0以上は術前11例(45.8%)が術後16例(66.7%)になった。HFAのMD値の平均は術前−11.9dBが術後−4.0dBと回復した。
結論:自覚症状発現後早期に来院し,迅速に加療が行われたRRD患者では視機能の回復が認められ,他の医療機関との密接な連携が重要であると思われた。
参考文献
1)山田成明・辻屋壮介・高辻樹理・他:自院の手術統計からみた季節性について—特に網膜剝離手術について.臨眼73:1349-1354,2019
2)長崎比呂志・出田秀尚・上村昭典・他:アトピー性皮膚炎に伴った網膜剝離の検討—外傷との関連性について.臨眼43:725-728,1989
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