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Book Review
—BRAIN and NERVE Vol. 73 No. 11 2021年11月号—特集 「目」の神経学 フリーアクセス
著者: 中馬秀樹1
所属機関: 1宮崎大・眼科学
ページ範囲:P.555 - P.555
逆に眼は,脳の構造変化ではとらえにくい,神経変性疾患のアルツハイマー病や,パーキンソン病の早期発症の手掛かりになるかもしれない研究も進められているようである。RGCとその軸索である網膜神経線維は,中枢神経の1つであり,唯一肉眼で観察できる中枢神経である。RGCには大型のM型と小型のP型があることが知られており,アルツハイマー病では緑内障と同様にM型の経路が障害されやすいのではないかといわれていた。最新の網膜解析装置,OCTやOCTAを用いて,神経変性疾患の早期診断に挑戦している研究も紹介されており,その可能性の高さも考慮すると大変興味深い。「眼は神経変性病変の窓」といわれる日が来るかもしれない。
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