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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科76巻5号

2022年05月発行

文献概要

特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[3]

複視が初発で発症した自己免疫性小脳失調症の1例

著者: 渡辺このみ1 渡辺一彦1 松岡ちひろ1 山田徹2 林智弘3 中辻裕司3

所属機関: 1あさひ総合病院眼科 2あさひ総合病院内科 3富山大学医学部脳神経内科

ページ範囲:P.673 - P.676

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要約 目的:複視が初発で発症した自己免疫性小脳失調症の1例の報告。

症例:78歳,女性。複視が出現し,当科を受診した。眼位は遠見で左上斜視,近見は外斜視および左上斜視であった。頭部MRIでは明らかな異常を認めなかった。その後,ふらつきやめまい,悪心,嘔吐,歩行障害および構音障害が出現した。2型糖尿病であったが,抗GAD抗体が再検査にて陽性であり,富山大学附属病院脳神経内科で自己免疫性小脳失調症と診断された。ステロイドパルス療法,大量ガンマグロブリン療法および血漿交換療法が行われたが,症状の改善はみられなかった。複視には,最終的に左眼に弱視治療用眼鏡箔®(LP)を貼った眼鏡装用で対応することとなった。

結論:複視を訴える患者を診た際には,本疾患も鑑別診断の1つとして念頭に置く必要がある。

参考文献

1)Hadjivassiliou M, Boscolo S, Tongiorgi E et al:Cerebellar ataxia as a possible organ-specific autoimmune disease. Mov Disord 23:1370-1377, 2008
2)Mitoma H, Adhikari K, Aeschlimann D et al:Consensus paper:neuroimmune mechanisms of cerebellar ataxias. Cerebellum 15:213-232, 2016
3)Mitoma H, Hadjivassiliou M, Honnorat J:Guidelines for treatment of immune-mediated cerebellar ataxias. Cerebellum Ataxias 2:14, 2015
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5)南里和紀・大熊美咲・佐藤沙紀・他:自己免疫性小脳失調症.日本臨床73:632-637,2015
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8)青木一教・鷲見幸彦・藤森直春:小脳萎縮像を呈した特発性ビタミンE欠乏症の兄弟例.臨床神経学30:966-971,1990
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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